◎「ハタチの恋人」(TBS公式) ※TBS系列・日曜夜9時放送
さんまさんが「男女七人」のキャラクターを思わせる、普段のまんまのノリの軽い関西人オヤジを「演じて」いるわけですが、このキャラをドラマとして見ると、どうにも面倒くさい感じがしてきます。 制作者側としては、さんまさんの強いキャラクターのテイストをそのまま生かしたいということで、セリフも関西弁、できるだけ演技くさくならないように普段のトークのノリのままで、という意図なのでしょうが、それがドラマの画面の中に入った状態で見ると、いささか冗長でその「しゃべり」がわずらわしく思えてくる。 「男女七人」の時代であれば、「お笑い」のさんまさんがドラマをやるという新鮮さと共にそれがインパクトにもなり、作品のテンポにも繋がっていたと思います。しかし20数年経った今、またその同じノリでやるとなると、普段バラエティでは圧倒的なパワーを発揮するその饒舌さも、ドラマのフレームの中では単にしゃべりすぎの空回り、その勢いについていけない。 カラオケルームで会社の部下たちに自分の恋愛話を長々と聞かせて、部下たちがすっかり聞き飽きてコソコソ三々五々抜け出していく場面がありましたが、あれなんかはとても象徴的に思えます。バラエティならみんなさんまさんの「しゃべり」で笑おうという心構えがあるのだけど、ドラマは「しゃべり」じゃないだろちょっとそのへん空気読め、というところがどうにも出てくる。そもそも最近のさんまさんのトークは、さすがに年齢からくるオヤジ臭さがあって、でもその時代のトレンドとのズレがまた笑いに転化されるパワーがあるわけですが、「演技」としてやると、そのズレが今度は痛々しくなる。そういう意味では今回の「役作り」、それわしてるかどうかわからないけど、これにずっと付き合うのはちょっとツライ。 「さとうきび」などで演技力が高く評価されている「役者」でもあるだけに、コメディやるとまたそのままになってしまうのはちょっともったいない気がします。せっかく久々にドラマやるんだから、何かもっと、たとえコメディとしても普段のお笑いのノリではなく新たなチャレンジを見たいというところなのですが。
基本このドラマ、TBS作品で時折ある作り込みの甘さとトゥーマッチ感が出てしまっていて、ややシマリが悪い印象。さんまさんの饒舌ぶりもさることながら、主人公の家族、例えば奥さん役の森下愛子さんとの、おそらくアドリブも多分に含まれた夫婦漫才風の会話も、息子が「宙船」を鼻唄で歌うところにしても、「関西人のノリって、こんなもんでしょ?」的な、とってつけた感がある。 映像としてもムダが多いですね。細かいことを言うようだけど、長澤さんが自分の部屋に入るとき、靴を脱ぐのに特に手間取っている風でもないけども時間がかかっているカットがあったけど、あんなのもっとパッと脱いで次の芝居にいけるように演出つければいいのに、とか思ってしまう。そういうのはライブ感とは違うとおもうんですけどね。まあちょっと重箱の隅をつつくようでなんなんですが、あまりにも見どころがないので、どうしてもそういう「粗さ」が目につくんです。あ、本音言っちゃったw TBSのドラマのトーンというのは、「映像を作っている」というよりは、「演技を撮影している」という感じが強いのかもしれません。それがいい作用をすることももちろんあるのですが、やはり時折「単に撮っている」風な映像になってしまうことがあるのが残念なときがあります。
なんだかダメ出しばっかりな感じですけど、正直このレベルだと致し方ないかなと思う。明石家さんまと長澤まさみが競演する話題性以外で、何かあるのかなという気がします。 ストーリーにしても、ユリの母親が圭祐の元カノでしょってのもなんとなくバレバレで、そのちらつかせ方もちょっとあざとい。んでもってユリと圭祐が親子かもしれないってことですったもんだがあって何話か消化、ユリが圭祐を人違いしててそのへんのすったもんだでまた何話か消化、ユリの母親である圭祐の元カノとのすったもんだ、さらに井上家内部のすったもんだで何話か消化、でも最後はそれぞれの生活に戻って大団円、めでたしめでたしどんど晴れ。 まあ、ドラマなんてこんなもんでしょ、的な空気になってしまうのはシャクですが、「話題のドラマ」と呼ばれるものがこのレベルではねぇ・・・。 塚本くんも、そろそろこういう作品で3番手4番手やってる場合じゃないでしょ、という感じ。そういうところでも、つくづく惜しまれる作品です。
もう個人的には、冒頭の圭祐の部下で寿退社する女子社員役で、「めざましテレビ」のMOTTOいまドキ!レポーター・荻野なおさんが出演していたのを発見したところで、このドラマ見どころは終わったかなと。 荻野さんはちょっと優香っぽい雰囲気で、しゃべりも聞き取りやすいしっかりした感じでなかなかいいなと注目してたのですが、今後女優展開も期待できそうです。 ま、今回の収穫はそのくらいかなw テーマ:ハタチの恋人 - ジャンル:テレビ・ラジオ
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